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 平成14年版 犯罪白書 第5編/第2章/第4節/2 

2 来日外国人の特質

 一般刑法犯による来日外国人の検挙人員は,昭和62年までは2,000人未満で推移していたが,63年に3,000人を超えている。その後,増減を繰り返してはいるものの,長期的には増加傾向を示し平成13年は,前年より839人増加し7,168人となり,20年間に7倍以上の増加となっている。
 5-2-4-3図は,殺人及び暴力的9罪種の来日外国人比を見たものである。殺人及び暴力的9罪種の検挙人員に占める来日外国人の割合,すなわち来日外国人比は,昭和60年には各罪種とも1%未満であったが,その後上昇を続け,平成5年には強盗において約7%まで上昇した。特に,強盗に関しては,60年が0.6%(11人)であったが,平成13年には7.5%(309人)に達している。

5-2-4-3図 罪種別検挙人員に占める来日外国人比の推移

 強盗に次いで検挙人員の増加率の上昇が目立つ罪種は住居侵入であり,昭和60年までは検挙人員が10人未満であったが,平成13年には99人となった。最近では,ピッキング用具を用いた侵入方法が模倣されるなど,来日外国人犯罪が刑法犯全体に占める割合は小さいものの,その影響は無視できない状況を呈している。
 来日外国人犯罪の背景となっている不法残留者は,ピークの平成5年の約29万9,000人から減少したものの,依然として22万人を超えており,今後の動向が注目される。なお,集団密航事件は,9年をピークに減少していたが,13年は前年に比べ件数で22件(104.8%),人員で316人(306.8%)増加し43件,419人となった。(警察庁長官官房国際部及び法務省入国管理局の資料による。第1編第2章第2節参照)。