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 平成14年版 犯罪白書 第5編/第2章/第3節/2 

2 凶器使用状況の推移

 5-2-3-2図は,殺人,強盗,傷害,暴行,脅迫及び恐喝の検挙件数における,凶器の使用状況の推移を見たものである。なお,ここでいう凶器には,銃砲刀剣類及び刃物などの性質上の凶器とこん棒類やひもなどの使い方によっては人を殺傷できる用法上の凶器とが含まれる。

5-2-3-2図 罪種別凶器使用件数及び使用率の推移

 殺人の凶器使用率は,平成8年にわずかに低下したものの,全期間を通じて70%台ないし80%台の高率で推移している。凶器の中では銃砲・刀剣類の使用が減少する傾向にある。強盗の凶器使用率は,50%ないし60%前後で推移している。強盗では凶器の中でも刃物を使用する比率が高い。
 傷害及び暴行は,長期的に見ると,凶器使用率がおおむね低下する傾向がうかがわれる。とりわけ恐喝,暴行,傷害は,いずれも凶器使用率が低く,恐喝と暴行はおおむね10%以下,傷害も平成8年以降は15%以下である。
 脅迫は,他の粗暴犯と比較しても,凶器使用率が高いだけではなく,刃物を使用する率が高いため,容易に傷害又は傷害致死に発展する危険性が否定できない。