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 平成14年版 犯罪白書 第1編/第1章/第7節/2 

2 ハイテク犯罪対策と最近の犯罪手口の特徴

 パソコンやインターネットの普及そして社会のIT化に伴い,コンピュータ・ネットワークに対する不正アクセス,ネット上での児童ポルノやその他のわいせつ画像の陳列,クレジット・カード・データの不正取得などが飛躍的に増加した。そのため,これらの行為を禁止・処罰することなどを目的として,次のとおり,各種ハイテク犯罪対策立法の制定や条約の署名がなされた。
 ここ2,3年の傾向として,不正アクセス行為の手口としては,他人のパスワードの不正使用という単純な手口にとどまらず,セキュリティ・ホール攻撃という高度な手口を悪用した犯罪が見られるようになった(法務総合研究所の調査による。)。

用語解説

ハイテク犯罪
 デンバー・サミット(平成9年6月開催)でのコミュニケにおいて,ハイテク犯罪は「コンピュータ技術及び電気通信技術を悪用した犯罪」を意味する言葉として用いられ国際的に定着した用語となっています。

(狭義の)コンピュータ犯罪
 明確な定義は定まっていませんが,一般に,電子計算機使用詐欺罪など,コンピュータ自体を犯罪の対象とする犯罪を指す言葉として使われています。

ネットワーク利用犯罪
 インターネットに代表されるコンピュータ・ネットワークを手段として利用する犯罪をいいます。

不正アクセス行為
 利用することが特定の人に制限されている,ネットワークに接続されたコンピュータを,それを利用接続する権限がない者がネットワークを通じて,他人のパスワード等を無断で利用したり,コンピュータを誤動作させる不正な指令等を与えるなどの方法で,利用する行為をいいます。

セキュリティ・ホール攻撃
 コンピュータ・プログラムやコンピュータ・システムの欠点や盲点を突いて,不正アクセスしたり,コンピュータの動作に障害を及ぼしたりする攻撃をいいます。