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1 ハイテク犯罪の動向と検察庁及び裁判所における処理状況 ハイテク犯罪とは,コンピュータ技術や電気通信技術を悪用した犯罪である。
これらの犯罪は,大別すると,[1]コンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪(狭義のコンピュータ犯罪等),[2]コンピュータ・ネットワークを利用した犯罪(ネットワーク利用犯罪),[3]不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為等)とに分けられる。[1]に該当するのが,各種電磁的記録の不正作出・供用・毀棄罪,電子計算機損壊等業務妨害罪,電子計算機使用詐欺罪などであり,[2]に該当するのが,インターネットを利用した詐欺罪,児童ポルノ頒布等罪(児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反)などである。 1-1-7-1図は,最近7年間におけるハイテク犯罪の検挙件数とパソコンやインターネットの世帯普及率等を見たものである。全体として,ここ数年間で,インターネットの世帯普及率等と比例して,この種の犯罪の検挙件数が急速に増加していることが見てとれる(警察庁生活安全局の資料による。)。 1-1-7-1図 ハイテク犯罪の検挙件数等の推移 1-1-7-2図は,罪種別の統計が存する電磁的記録不正作出罪等のハイテク犯罪に関する最近10年間の検察庁新規受理・終局処理人員の推移を見たものである。各罪ごとに増減等のばらつきはあるが,全体として,ここ10年間で,この種の犯罪の新規受理・終局処理人員が急速に増加していることが見てとれる。これらの犯罪は,起訴率や公判請求率が,おおむね75%を越えており,他の刑法犯と比較しても高い部類に属する。1-1-7-2図 ハイテク犯罪の検察庁新規受理人員・終局処理人員の推移 1-1-7-3表は,平成13年の通常第一審におけるハイテク犯罪の懲役の科刑状況を見たものである。電子計算機使用詐欺で懲役の言渡しを受けた者における執行猶予率は13年が38.5%となっている。1-1-7-3表 通常第一審におけるハイテク犯罪の懲役の科刑状況 |