前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成14年版 犯罪白書 第1編/第1章/第6節/2 

2 連座制の適用状況

 平成6年の公職選挙法の一部改正により,[1]連座制の対象となる者として新たに秘書や組織的選挙運動管理者等が加えられたこと,[2]従前から連座制の対象となる者とされていた親族についても,立候補予定段階における違反にまで適用が拡張されたこと,[3]懲役・禁錮刑に執行猶予が付された場合でも連座制が適用されるものとされたこと,[4]連座制の効果として立候補禁止が加えられたことなど,連座制が強化された。
 この強化された連座制により,検察官が原告として当選無効等の訴訟を提起したのは80件であり,その内容を見ると,当選無効及び立候補禁止訴訟が14件,立候補禁止訴訟が66件である。これらのうち,原告勝訴(訴えの利益がなくなり訴えを取り下げたものを含む。)の判決が確定したものは76件,同一の候補者について,別の原因に基づいて連座制の適用を認めた判決が確定していることを理由として,原告敗訴の判決が確定したものは1件である。その余の3件は,訴訟係属中である(平成14年5月31日現在)。
 1-1-6-3表は,検察官が提起した80件の訴訟における連座制の対象となる者120人について,選挙別に,連座制が適用される原因となる身分の内訳を見たものである。

1-1-6-3表 選挙別・連座制発動原因者別連座訴訟提起状況

用語解説

連座制
 「連座制」とは,選挙において,候補者本人以外の者による選挙違反行為を理由として,当選無効や立候補制限という効果を生じさせる制度のことです。