前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成14年版 犯罪白書 第1編/第1章/第5節/1 

第5節 財政経済犯罪

1 脱税事犯

(1) 検察庁における受理状況等

 1-1-5-1図は,最近10年間における所得税法違反,相続税法違反,法人税法違反及び消費税法違反について検察庁新規受理人員の推移を見たものである。このうち,法人税法違反については,平成6年に100人台に低下したが,その後やや上昇傾向を示し,平成13年では再度300人を突破している点が注目される。

1-1-5-1図 所得税法違反・相続税法違反・法人税法違反・消費税法違反の検察庁新規受理人員の推移

 1-1-5-2表は,最近5年間の各会計年度において,国税庁から検察庁に告発された所得税法違反,法人税法違反及びその他の税法違反等について,告発件数及び1件当たりの脱税額の推移を見たものである。なお,平成13年度において脱税額が3億円以上の事件は26件,5億円以上の事件は8件となっている(国税庁の資料による。)。

1-1-5-2表 所得税法,法人税法,その他の税法違反事件の告発件数並びに1件当たりの脱税額

(2) 検察庁における処理状況

 1-1-5-3表は,最近5年間の検察庁における所得税法違反,相続税法違反,法人税法違反及び消費税法違反の起訴・不起訴人員の推移を見たものである。

1-1-5-3表 所得税法違反・相続税法違反・法人税法違反・消費税法違反の起訴・不起訴人員

(3) 裁判所における処理状況

 司法統計年報及び最高裁判所事務総局の資料によれば,平成13年の通常第一審における終局処理人員は,所得税法違反が48人(有期懲役42人,罰金6人),法人税法違反が174人(有期懲役79人,罰金88人,公訴棄却7人),相続税法違反及び消費税法違反がともになし,となっている(9年から13年までの通常第一審において懲役の言渡しを受けた者の科刑状況については,巻末資料1-7参照)。