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 平成14年版 犯罪白書 第1編/第1章/第1節/3 

3 窃盗の動向

 1-1-1-8図は,窃盗の認知件数,検挙人員及び発生率の推移を見たものである。13年においても,窃盗は,認知件数の急増・検挙率の急落という傾向が続いているが,検挙人員は前年から反転して増加した。侵入盗,すり,ひったくり及び自動車盗という重要窃盗犯を見ると,その認知件数の合計が44万3,502件と全体の18.9%を占めているが,その検挙率は27.1%と窃盗全体の検挙率より高いレベルを維持している。

1-1-1-8図 窃盗の認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率の推移

 窃盗の種類別認知件数の推移及び平成13年の手口別構成比は,1-1-1-9図のとおりである。侵入盗は長期減少傾向から転じて増加傾向にあるが,屋外で犯行を行う非侵入盗と乗物盗の増加傾向が顕著である。これは,暴力的色彩の強い犯罪と同様,屋外で犯行を行う屋外犯の比率が窃盗においても上昇していることを示唆している(第5編第2章3節参照)。特に,乗物盗に車上ねらいを加えた手口別構成比合計は,50%を超えており,車社会の進展すなわち車にまつわる犯行機会の増加が,窃盗の屋外犯の比率を押し上げているものと考えられる。

1-1-1-9図 窃盗の種類別認知件数の推移及び手口別認知件数構成比

 なお,窃盗の認知件数の増加傾向等,その最近の動向については,平成13年版「犯罪白書」第4編の特集を参照されたい。