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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第4章/第2節/2 

2 違反態様別の動向

(1) 営利犯

 覚せい剤事犯の違反態様別検挙人員及び営利事犯人員について,昭和55年以降5年ごとに見たものが,IV-30表である。覚せい剤は,いわゆる密売人の手を介して,末端の使用者に供給されており,密売人については営利犯として送致されるが,覚せい剤事犯の送致は,末端使用者である使用と少量の所持等が大部分を占めている。平成12年に営利犯として送致された者は,所持事犯のうちの343人(5.0%),譲渡し・譲受けのうちの83人(5.2%)である。

IV-30表 覚せい剤事犯の違反態様別送致人員及び営利犯人員

(2) 暴力団

 IV-31表は,覚せい剤取締法違反における暴力団構成員等の違反態様別検挙人員を,昭和55年以降5年ごとに見たものである。同法違反による検挙人員に占める暴力団構成員等の比率は,55年を除き,40%台で推移している。また,暴力団構成員等の占める比率が最も高い違反態様は,密造を除き,いずれの年次も,譲渡しであり,次いで,所持,使用の順となっているなど,暴力団構成員等が,覚せい剤の密売に高い割合で関与していることがうかがわれる。

IV-31表 覚せい剤事犯の違反態様別検挙人員及び暴力団構成員等の人員

 IV-32表は,覚せい剤事犯について,暴力団構成員等の地位別検挙人員を,昭和55年以降5年ごとに見たものである。暴力常習者の項目がなくなった平成2年以降について,地位別検挙人員を見ると,首領,幹部は減少し,準構成員が増加している。

IV-32表 覚せい剤事犯暴力団構成員等の地位別検挙人員