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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第4章/第2節/1 

第2節 大型・組織的事犯の動向

1 大型事犯の検挙

 最近20年間における覚せい剤等の押収量は,IV-28表のとおりである。覚せい剤等の押収量は,いわば氷山の一角であり,実際には押収量の数倍の覚せい剤等が流通していると見なければならないが,薬物に対する需要の動向を反映しているものといえる。

IV-28表 覚せい剤・麻薬等の押収量

 覚せい剤(粉末)の押収量は,平成10年までは,数十キログラムないし数百キログラム程度の押収量で推移していたが,11年には約2,000kg,12年には約1,000kgが押収されている。
 IV-50図は,覚せい剤等の大量押収事犯の件数及び1件当たりの平均押収量の推移を見たものである。最近20年間における覚せい剤1kg以上の大量押収事犯の件数は,昭和63年以降,増減を繰り返しながら,全体として減少傾向にあったが,平成6年以降増加傾向に転じ,11年は35件,12年は25件と急増している。大量押収事犯の1件当たりの平均押収量は,10年以降3年連続して35kgを超えており,麻薬,大麻,あへんの大量押収事犯と比較して,覚せい剤事犯のここ数年の大型化が著しい。

IV-50図 覚せい剤等の大量押収事犯件数及び1件当たりの平均押収量の推移

 IV-29表は,最近20年間における覚せい剤の大量押収事犯の仕出地を見たものである。覚せい剤乱用の第2のピークであった昭和59年前後は,韓国及び台湾が大量押収事犯の主たる仕出地であったが,平成10年から中国,11年から北朝鮮を仕出地とするものが見られるようになってきた。

IV-29表 覚せい剤の大量押収事犯の仕出地