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1 概説 少年に対する保護観察の種類には,少年のみを対象としたものと,刑事処分を受けた少年を対象とし,成人と同様に実施されるものがある。少年のみを対象とした保護観察には,[1]家庭裁判所の決定により保護処分の一つである保護観察に付された者(保護観察処分少年)に対するもの,[2]家庭裁判所の決定により保護処分の一つである少年院送致となった後,地方更生保護委員会の決定により仮に退院を許された者(少年院仮退院者)に対するものがある。
これらのうち,少年院からの仮退院は,在院者が処遇の最高段階に達し,保護観察に付することが本人の改善更生のために相当と認められるとき,又は処遇の最高段階に達していなくとも,本人の努力により成績が向上し,保護観察に付することが本人の改善更生のために特に必要であると認められるときに,地方更生保護委員会が許可する。仮退院の申請が地方更生保護委員会で棄却される例は少なく,平成12年の許可人員は5,415人(前年比3.6%増),棄却は4人(前年0人)となっている(巻末資料II-11参照)。 成人と同様に実施される保護観察には,[3]実刑に処せられた後(実刑の種類に関しては,少年特有の制度として,不定期刑がある。),地方更生保護委員会の決定により仮出獄を許された者(仮出獄者)に対するもの,[4]刑の執行を猶予され,保護観察に付された者(保護観察付き執行猶予者)に対するものがある。 平成12年における20歳未満の仮出獄者の新規受理人員は2人(前年1人)であり,不定期刑を受けた少年受刑者(言渡し後,20歳に達した者を含む。)の仮出獄許可人員は21人,棄却は2人となっている。また,20歳未満の保護観察付き執行猶予者の新規受理人員は,21人(前年は28人)である。 少年に対する保護観察のうち[3],[4]は,このように,従来から数が少ないので,本節では,主に保護観察処分少年及び少年院仮退院者について述べる。 |