4 いじめと非行 文部科学省初等中等教育局の資料によれば,平成11年(会計年度)に公立小学校・中学校・高等学校・特殊教育諸学校において発生したいじめの件数は3万1,359件(前年比13.8%減)である。これを態様別(重複計上による延べ数4万3,487件)に見ると,最も件数の多かったものは,冷やかし・からかいの1万2,649件(29.1%)で,次いで,言葉での脅し7,799件(17.9%),暴力6,828件(15.7%),仲間はずれ6,068件(14.0%)となっており,一口にいじめといってもその態様は様々で,必ずしもすべてが刑事司法手続の対象とされるわけではない。また,行為の性質上,実態を把握しにくいのが実状である。 いじめに起因する事件の件数及び補導人員を見ると,いずれも昭和60年の638件,1,950人をピークに,長期的にはおおむね減少しているが,平成12年は,件数が前年と比べ33件(24.1%)増加して170件,補導人員は81人(22.0%)増加して450人となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。 いじめに関しては,いじめを受けた被害少年が,いじめに対する仕返しとして,殺人,傷害等を犯したり,自殺をするなどの事例も見られる。平成12年の事件総数170件のうち,11件がいじめの仕返しによる事件である。 法務省では,平成6年に,子どもの人権問題を専門的に取り扱う「子どもの人権専門委員」制度を設け,13年6月1日現在,計687人の専門委員を全国の法務局・地方法務局に配置し,いじめに悩む人々に対する相談活動を行い,いじめ解消のための適切な処置を講じている。
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