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 平成13年版 犯罪白書 第2編/第5章/第6節 

第6節 犯罪予防活動

 更生保護における犯罪予防活動は,保護観察や更生緊急保護の実施など,既に犯罪や非行をした者の社会復帰を直接図る活動と並んで,更生保護の中核をなす重要な活動である。
 その内容は,世論の啓発,社会環境の改善及び地域住民の活動の助長に分類されるが,更生保護における犯罪予防活動の特色は,犯罪の発生を未然に防ぐために,社会的連帯感や社会的規範への共感を強化・助長するように地域社会に働きかける点にある。加えて,犯罪や非行に陥った人の社会復帰に対する地域社会の人々の理解と関心を深め,地域社会が彼らを地域の一員として受け入れ,その更生を援助するよう促すことによって,彼らが再び犯罪や非行に陥ることを予防することを目指している。
 具体的には,街頭広報活動,講演会,非行問題を話し合う対話集会(ミニ集会),青少年非行相談,少年スポーツ大会,不良図書の追放運動,犯罪・非行の事例に基づいて話合いを進める公開ケース研究会などを実施している。
 これらの活動は,保護観察所,保護司会,更生保護婦人会,BBS会などが,関連する様々な機関・団体と連携しつつ,年間を通じて実施している。
 このような犯罪予防活動のうち,特に毎年7月を強調月間として組織的に展開されているのが“社会を明るくする運動”で,平成12年は,運動が開始されて50回目に当たり,全国で延べ498万9,619人(前年441万9,269人)が参加して,各種の活動が展開された。