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 平成13年版 犯罪白書 第1編/第2章/第5節/2 

2 犯罪歴を有する少年の犯罪

 少年における再犯者率は,平成5年から9年までは低下を続けていたが,その後上昇に転じている(I-27表参照)。
 I-30表は,平成12年に,交通関係業過を除く刑法犯により検挙された少年について,主要罪名別に前回処分別の比率を見たものである(なお,少年に対する処遇の概要については,第3編第2章第1節参照)。

I-30表 少年刑法犯検挙人員の主要罪名別・前回処分別比率

 殺人や強盗の凶悪犯,あるいは傷害,恐喝や強姦という暴力的性格の犯罪により検挙された少年については,過去に検挙歴がある者の占める割合が高い。
 前回の処分との関係で見ると,いずれの罪名についても,前回検挙に係る犯罪では審判不開始又は不処分になっている者の比率が最も高い。これは,少年の処分において,もともと審判不開始・不処分が多いことの帰結と思われる。
 しかし,前記の再犯者率が高い各罪名により検挙された少年においては,犯行時に保護観察中であった者の比率が高く,また,殺人,強盗,傷害致死,強姦及び放火により検挙された少年においては,前回処分が保護観察終了となっている者の比率が高い。総じて,凶悪犯や暴力的性格の犯罪で検挙された少年については,その前段階で,要保護性が認められていることがうかがわれる。