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1 銃器犯罪の動向 (1) 発生状況 警察庁生活安全局の資料によれば,平成11年における銃器(けん銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃をいう。以下同じ。)発砲事件による死者数は,IV-17表のとおり,前年を9人上回る28人となっている。死者数に占める暴力団構成員及び準構成員(以下,本節において「暴力団構成員等」という。)以外の一般人の被害者(巻き添えによるものを含む。)の比率は,前年の42.1%から35.7%に低下しているものの,実人員は8人から10人に増加している。また,11年における銃器の発砲回数は,前年の154回を8回(5.2%)上回る162回となっており,銃器犯罪の深刻化がうかがわれる。
IV-17表 銃器発砲事件における死者数 (2) 検挙状況 IV-26図は,最近5年間における,銃器使用犯罪の検挙件数及びそのうちけん銃が使用されたものの件数を,暴力団構成員等によるものとそれ以外の一般人によるものとに区別して見たものである。銃器使用犯罪の検挙件数は平成8年以降,10年に前年を上回ったほかは減少し,11年は,前年を19件(15.2%)下回る106件となっている。検挙件数に占める一般人によるものの比率は,7年及び9年を除き3割を超えており,11年には検挙件数の33.0%を占めている。
IV-26図 銃器使用犯罪検挙件数の推移 IV-27図は,最近5年間における,けん銃に係る銃刀法違反の態様別送致人員の推移を見たものである。けん銃に係る銃刀法違反の送致人員は,平成7年,8年と900人台であったが,9年以降減少し,11年は646人(前年比4.2%減)となっている。また,態様別では,けん銃の加重所持は,11年には308人(同4.0%減)となっている。IV-27図 けん銃に係る銃刀法違反の態様別送致人員の推移 なお,平成7年5月に,銃砲刀剣類所持等取締法(以下,本節において「銃刀法」という。)の一部改正により新設された発射罪の送致人員は,11年には32人(同5.9%減)となっている(巻末資料IV-11参照)。(3) けん銃の押収状況 IV-28図は,最近5年間における押収けん銃丁数を,暴力団構成員等から押収したものと,それ以外の一般人から押収したものとに分けて見たものである。暴力団構成員等からのけん銃の押収丁数は,平成8年以降大幅な減少を続けていたが,11年は,前年より4丁(0.7%)増加した。
IV-28図 けん銃押収丁数の推移 平成11年に押収された真正けん銃837丁について,これを製造国別に見ると,アメリカが265丁(31.7%)で最も多く,次いでフィリピン93丁(11.1%),中国90丁(10.8%)の順となっている。また,11年にけん銃の密輸入事件で検挙された人員は,前年より4人増の15人,押収されたけん銃は,10丁増の19丁となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。 |