平成3年に，国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下「麻薬特例法」という。)が制定されたが，同法では，業として行う不法輸入等の処罰に関する規定，マネー・ローンダリング(薬物犯罪収益等の隠匿・仮装・収受)の処罰に関する規定，薬物犯罪収益の必要的没収・追徴規定，国際的なコントロールド・デリバリー(監視付き移転)を可能にする規定等が設けられている。
　検察統計年報によれば，最近5年間の麻薬特例法違反による検察庁新規受理人員は，平成7年17人，8年43人，9年61人，10年51人，11年51人となっている。また，11年における同法に係る不法収益の没収・追徴規定の適用状況を見ると，没収が21件7,334万1,671円，追徴が267件18億2,327万9,919円となっている(巻末資料IV-1参照)。
　一方，コントロールド・デリバリーの実施件数は，平成7年24件，8年19件，9年19件，10年29件，11年19件となっている(警察庁生活安全局の資料による。)。