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5 被害弁償等 (1)謝 罪
V-35図は,被害者に対する謝罪の有無を,非行名別に見たものである。総数では,「謝罪した」とするものは17.5%であり,「謝罪するつもりはあるが,していない」とするものが4分の3近くを占めている。「謝罪するつもりはない」とするものは9.5%であるが,傷害では15.8%となっている。謝罪したものについて,謝罪したきっかけを見てみると,「自分で考えて」が62.7%,「人に勧められて」が30.5%となっている。 V-35図 非行名別謝罪の有無 V-83表は,被害者に対する謝罪の方法について尋ねた結果を,非行名別に示したものである。総数では35.5%のものが「自分が会って謝罪した」としており,「代理人に謝罪してもらった」33.7%,「自分が手紙や電話で謝罪した」17.8%となっている。V-84表は,被害者に対して「謝罪するつもりはあるが,していない」と回答した者について,その理由を重複選択で尋ねた結果を,非行名別に見たものである。84.1%のものが「謝罪をする機会がなかった」ことを挙げている。謝罪するつもりはないと回答した者について,その理由を尋ねた結果を見ると,「被害者にも責任があった」31.6%,「被害者やその家族に会うのがいやだった」28.1%,「謝罪をする機会がなかった」25.7%,「被害は,大したことがなかった」22.8%等となっている。V-83表 非行名別謝罪の方法 V-84表 非行名別謝罪していない理由 (2) 被害者やその家族との示談及び弁償(金銭的償い)の有無について非行名別に見ると,V-36図及びV-37図のとおりである。示談が「成立した」は,総数で26.8%であり,「交渉したが,成立しなかった」,「交渉中である」も含めると,示談成立に向けて何らかの行動を起こしているものは35.5%である。さらに,これを非行名別に見ると,殺人等では,示談が「成立した」は8.3%にとどまるが,25.7%が「交渉中である」と答えており,この比率は他の非行を上回っている。また,「弁償した」は,総数では28.1%であり,これに「弁償中である」を併せると38.2%である。非行名別に見ると,「弁償した」とするものの比率は,強盗が37.8%と最も高く,次いで,恐喝34.1%となっている。一方,殺人等では,「弁償した」と答える者は3.6%にとどまっているが,「弁償中である」が19.8%,「弁償するつもりはあるが,していない」が46.8%となっており,これらの比率は,他の非行の比率を上回っている。 V-36図 非行名別示談の状況 V-37図 非行名別弁償の状況 (3)償いに対する意識V-38図は,「罪のつぐないにとって一番大切なことは何ですか」と尋ねた結果を非行名別に示したものである。総数では,「社会で更生すること」が64.2%,「被害者やその家族の許しを得ること」が10.9%,「被害者やその家族に謝罪すること」が9.4%となっている。非行名別に見ると,殺人等では「社会で更生すること」が48.6%で,総数での比率より低く,代わって「被害者やその家族に謝罪すること」が20.6%で,総数での比率より高くなっており,殺人等では,罪の償いを考えるに当たって被害者側とのかかわりを重く受け止める意識がうかがえる。 V-38図 非行名別罪の償いに対する意識 |