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3 交通犯罪者に対する矯正及び更生保護 (1)矯 正
交通犯罪新受刑者のうち,業過受刑者は,近年減少傾向にあったが,平成10年は,前年より30人増加して597人(懲役492人,禁錮105人)となっている。道路交通法違反受刑者は,8年以降増加傾向にあり,10年は,前年より90人増加して1,422人(懲役1,421人,禁錮1人)となっている。刑期については,IV-10表のとおり,近年,業過受刑者のうち半数近くが,1年を超えるものとなっている。 交通犯罪新受刑者のうち,約半数は,市原刑務所等全国6か所の指定施設に収容されている。これらの刑務所に収容された交通犯罪新受刑者は,開放的処遇が適当と判定された成人の受刑者で,[1]交通事犯以外の犯罪による懲役刑を併有しないこと,[2]交通事犯以外の犯罪による受刑歴がないこと,[3]刑期がおおむね3月以上であること,及び[4]心身に著しい障害がないことの諸条件を満たすものであるところから,原則として,居室,食堂,工場等の施錠や身体検査等は行わず,行刑区域内では戒護者を付けないこととされ,面会もなるべく立会者を置かずに行われている。 IV-10表 交通犯罪新受刑者の刑名・刑期別人員 (2)更生保護IV-24図は,最近10年間における交通関係保護観察対象者(罪名が業過又は道路交通法違反である者)の新規受理人員を見たものである。 IV-24図 交通事犯保護観察対象者新規受理人員の推移 交通事件により保護観察に付された者に対しては,その特性に応じた処遇が実施されており,遵法精神のかん養,安全運転に関する知識の向上,安全運転態度の形成等を図るため,指導内容を系統的にまとめた手引書による処遇や,視聴覚教材を活用した講義,座談会,グループワークなどの集団処遇が行われている。また,家族や職場の人々の理解や協力を求めるなどして,対象者を取り巻く生活・職場環境の改善を図っているほか,業務上過失致死傷により保護観察に付された者に対しては,被害者への慰謝・弁償に関して助言するといった取組も重視されている(交通短期保護観察については,第3編第2章第6節2参照。)。 |