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 平成11年版 犯罪白書 第4編/第3章/第2節/1 

第2節 外国人による犯罪の動向

1 外国人による刑法犯の動向

 昭和55年以降の外国人による交通関係業過を除く刑法犯検挙件数及び検挙人員(以下,本節において「刑法犯検挙件数」及び「刑法犯検挙人員」という。)の推移を警察庁の統計により見ると,刑法犯検挙件数は,61年の2万156件をピークにその後減少し,平成2年には1万3,410件となったが,3年以降再び増加に転じて,10年には前年より206件(0.6%)増の3万2,703件となっている。刑法犯検挙人員は,検挙件数とほぼ並行して推移しているものの,10年には前年より137人(1.3%)減の1万248人となっている(巻末資料IV-4参照)。また,我が国における刑法犯検挙人員総数中に占める外国人の比率は,昭和55年の2.5%から上昇して,平成5年には4.1%に達したが,その後は若干低下して,10年は3.2%となっている。
 IV-15図は,外国人による刑法犯検挙件数及び検挙人員を,来日外国人(本節では,警察庁の統計における定義により,我が国にいる外国人のうち,いわゆる定着居住者(永住権を有する者等),在日米軍関係者及び在留資格不明の者以外の者をいう。)とその他の外国人の別に見たものである。

IV-15図 外国人による刑法犯検挙件数・検挙人員の推移

 来日外国人の刑法犯検挙件数,検挙人員は,昭和55年には867件,782人であったが,その後いずれも増加し,平成10年の検挙件数は,昭和55年の約25倍の2万1,689件(前年より0.1%増)に達している。一方,検挙人員は,平成5年に最高値の7,276人を記録した後,減少に転じたものの,なお高水準を維持し,10年は5,382人(同1.0%減)となっている。
 平成10年の来日外国人の検挙人員を罪名別に見ると,窃盗(3,098人)が最も多く,以下,遺失物等横領(1,049人),傷害(213人),偽造(185人),強盗(160人)の順となっている。