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 平成11年版 犯罪白書 第4編/第3章/第2節/2 

2 外国人による特別法犯の動向

 昭和55年以降の外国人による道交違反等交通関係を除く特別法犯送致件数及び送致人員(以下,本節において「特別法犯送致件数」及び「特別法犯送致人員」という。)は,減少傾向が続いた後,平成3年以降はおおむね増加傾向にあったが,10年には,送致件数は,前年より284件(2.4%)減少して1万1,751件,送致人員は,前年より559人(5.7%)減少して9,291人となっている(巻末資料IV-5参照)。
 IV-16図は,外国人による特別法犯送致件数及び送致人員を,来日外国人とその他の外国人の別に見たものである。
 来日外国人の特別法犯送致件数,送致人員は,昭和55年には2,643件,2,280人であり,その後増加傾向にあったが,平成10年にはいずれもやや減少して1万90件(前年より2.6%減),8,036人(同4.9%減)となっている。
 平成10年の来日外国人の特別法犯送致人員を罪名別に見ると,入管法違反が6,377人(前年より6.7%減)で最も多く,次いで覚せい剤取締法違反の599人(同3.1%増)となっている。

IV-16図 外国人による特別法犯送致件数・送致人員の推移

 また,平成10年の入管法違反の送致人員を態様別に見ると,不法残留が3,527人で最も多く,次いで,旅券不携帯(1,376人),不法入国(1,152人)の順となっている。
 近年,いわゆる「蛇頭」等の国際的な密航請負組織が関与する中国等からの集団密航事件が激増し,警察又は海上保安庁が検挙した集団密航事件の検挙人員も,平成7年には324人であったものが,8年には679人,9年には1,360人と急増し,10年は,1,023人(前年より24.8%減)となっている(警察庁長官官房国際部の資料による。)。また,9年5月の出入国管理及び難民認定法の一部改正(同月施行)により新設された集団密航に係る罪等の送致人員は,9年は38人,10年は153人となっている(警察庁刑事局の資料による。)。