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 平成11年版 犯罪白書 第4編/第2章/第1節 

第2章 暴力団犯罪

第1節 概  説

 平成5年以降の暴力団の構成員及び準構成員(以下,本節及び次節において「暴力団構成員等」という。)の推移を見ると,IV-9図のとおりである。同年以降減少傾向にあった暴力団構成員等は,8年以降漸増し,10年12月31日現在では,約8万1,300人(前年より約1,200人増)で,そのうち,暴力団構成員は約4万3,500人(同約1,200人減)となっている。

IV-9図 暴力団構成員等の推移

 最近5年間における暴力団相互の対立抗争事件の発生状況を見ると,IV-2表のとおりである。平成10年の対立抗争事件数は11件,発生回数は48回で,前年と比べ,事件数が5件増加する一方,発生回数は5回減少しているが,そのうちの8割以上の39回に銃器が使用されている。
 平成4年3月から暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下,本節において「暴力団対策法」という。)が施行されているが,9年6月,同法の一部改正が行われ(一部を除き同年10月施行),指定暴力団等の業務に関して行われる暴力的要求行為の防止や,指定暴力団員以外の者による準暴力的要求行為等の規制に関する規定等の新設がなされた。

IV-2表 暴力団対立抗争事件の発生状況

 平成10年12月31日現在,五代目山口組,稲川会及び住吉会の3団体を含む23団体が,暴力団対策法による指定暴力団として指定されており,これらの3団体に所属する暴力団構成員は約2万9,700人(前年より約200人増)で,全暴力団構成員の68.3%を占めている。
 また,平成10年に暴力団対策法に基づき発出された中止命令は1,900件,再発防止命令は43件である(警察庁刑事局の資料による。)。