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 昭和38年版 犯罪白書 第三編/第四章/三/6 

6 体育,レクリエーション,クラブ活動等

 受刑者に対しては,雨天のほかは毎日三〇分以内,戸外運動をさせることが監獄法施行規則(第一〇六条)で定められている。最近はこのほかに,受刑者の健康増進と作業能率向上のために,午前および午後の適当な時限に,一回三分以内の業間体操がこころみられるようになったことは前にもふれた。また休日,祝祭日などの免業時には,協同心や責任感のかん養にも役だつ団体競技やゲームが実施される。少年刑務所におけるこれらの体育活動の実施状況をみると,ソフトボール,バレーボール,庭球,野球,バスケットボール,サッカー等のルールならびに技術の講習と習練,すもう,水泳,陸上競技等の組織的な練習があり,これらの体育活動は休日,祝祭日における競技大会,体育祭,記録会等の月間行事において,その成果を示すように計画されている。
 体育関係以外に,レクリエーションとしては映画,演芸,音楽などの鑑賞,テレビ,ラジオの視聴,読書会,輪読会,演奏会,書道,詩歌,俳句,生花,茶道の趣味の会などが免業時に許されているが,このようなレクリエーションは単なる娯楽として利用されるにとどまらず,そのあるものは一,二級者月例集会や所内新聞,所内誌の刊行などとともに,収容者の自主的なクラブ活動として活用することが奨励されている。
 なお,以上のような目的に利用させるために,受刑者の看読用図書が各刑務所に備え付けられているが,少年刑務所におけるこれら図書館活動ならびに読書指導は,成人刑務所に比較しきわめて活発である。また,ラジオ放送による矯正教育を重視し,数年来全国刑務所の各居房に,それぞれスピーカーを設備することに努めるとともに,日本短波放送によって週三回,毎回一五分間の全国矯正施設向け番組を放送し,また,各施設ではテープ録音機および所内放送設備を利用し,自所で編成した自主的番組を放送して,教育効果をあげていることは前にものべたとおりである。