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 昭和38年版 犯罪白書 第三編/第四章/二 

二 少年受刑者の収容状況

 昭和三六年末現在の少年受刑者数は二,〇四二人(うち女子は五人)で,これは同時期の受刑者総数五七,五九九人の約三・六%にあたっている。
 昭和二〇年以降の少年受刑者年末現在人員の推移と,少年院収容者年末現在人員の変遷を表によって示すとIII-60表のとおりであるが,刑事処分によって少年刑務所に送られた人員と,保護処分によって少年院に収容された人員との間に,密接な関連があることは昭和三七年版犯罪白書(三一三ページ)にのべたとおりである。

III-60表 少年受刑者・少年院収容者の年末現在人員(昭和20〜36年)

 少年受刑者数が最も多かった昭和二三年(年末現在人員六,三五三人)から昭和二六年(三,九六一人)にいたる間は,全国に少年刑務所は一二施設あった。しかし昭和二六年から実施された少年の年齢引上げ等の関係から,少年受刑者数は急激に減少し,少年法改正前の昭和二三年の約三分の一になって今日に至っているが,少年刑務所も現在では川越,水戸,松本,姫路,奈良,岩国,佐賀,盛岡および函館の九施設になっている。
 昭和三六年末現在少年受刑者総数二,〇四二人のうち,専門的医療を施す必要あるもの五人が城野医療刑務所に,保護関係の事情によるもの,または,残刑期の短いものなど計四四人が一般刑務所にそれぞれ少数(一人ないし八人)ずつ分界収容されている。このような特殊な事情による者を除いた一,九九三人は,上記九施設に収容されているわけであるが,この九施設のうち水戸,姫路,盛岡および函館の各少年刑務所は,収容者の大部分が主としてE級者,すなわちおおむね二三才未満で特に少年に準じて処遇する必要のあるものか,またはG級者すなわち二五才未満で性格おおむね正常,改善容易と思われるものであって,少年受刑者は比較的少数のものが分界収容されているにすぎなはい状況である。