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 昭和38年版 犯罪白書 第二編/第三章/二/10 

10 モデル処遇

 分類センターとして昭和三二年に発足した中野刑務所は,同時に,分類に応じた処遇の技術面における標準の確立,すなわちモデル処遇の試行を目的としている。この目的にそって,とりあえずG級(改善容易な二五才未満の男子)を選び,職業訓練を中心に,組織的生活指導を行なって,その効果をあげている。現在,一六六名(昭和三八年三月一六日現在)が処遇をうけているが,開始以来処遇をうけて出所したもの(五六七人)のなりゆきをみると,一般のG級の再入率と比較して,かなり低いように思われる(二一・三%)。
 今後,このようなモデル処遇を,他の分類級についても積み重ねてゆくことが,矯正の改善のため必要であろう。