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 昭和38年版 犯罪白書 第二編/第三章/一/11 

11 新受刑者の国籍別

 新受刑者の国籍別は,II-63表のとおり,日本人が大部分を占め,昭和三六年では,新受刑者の九四・六%(三五,二八〇人)である。外国人は,昭和三一年以降減少してきているが,昭和三六年では,朝鮮人一,八八七人(新受刑者総数の五・一%)のほか,少数の中国人(六六人,〇・二%),アメリカ人(一三人)などである。

II-63表 新受刑者の国籍別人員の比率(昭和31〜36年)

 外国人のうち,最も多い朝鮮人についてみると,第一に,刑名別では,特別法犯が比較的多く,朝鮮人新受刑者の二〇・七%(三九一人)を占めること(日本人では六%),ことに出入国管理令違反が多いこと(一四六人),第二に,刑法犯の罪名別構成比率では,日本人に比較して,窃盗がわずかに少なく(五三・一%,日本人では五五・一%),賍物関係(八・四%,日本人では一・九%),傷害(一一・八%,日本人では九・七%),殺人(二・八%,日本人では二,六%)などが多く,また,特別法犯では,前述の出入国管理令違反(三七・九%,日本人では〇・五%),覚せい剤取締法違反(九・〇%,日本人では四・四%)が日本人に比し,その構成比率が高いこと,その他麻薬取締法違反もかなり多いこと(特別法犯のうち出入国管理令違反を除いた人員の四二・八%,日本人では四五・四%)などが注目される。