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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第5章/第3節/4 

4 同年代の者についての見方

 「あなたと同じくらいの年の人について,どう思いますか」との質問に対し,「多い」,「やや多い」,「どちらともいえない」,「やや少ない」,「少ない」の中から択一で回答を求めた結果を,少年院在院少年と短期保護観察少年とで比較したものがIII-96図である。「いやなことがあってもすぐ忘れようとする人」を除き,いずれの項自においても,「多い」又は「やや多い」と回答した者の比率は,少年院在院少年が短期保護観察少年を大きく上回っている。少年院在院少年では,「悪いことだと思っても,仲間と一緒になるとやってしまう人」,「いつもだれかと一緒にいたいと思っている人」,「今,この場が楽しければそれでよいと思っている人」,「気にくわないことがあると,カッとしたり,落ち込んだりしゃすい人」が「多い」又は「やや多い」とする者の比率がいずれも8割を超える高率となっており,彼らが,同年代の少年の中に,付和雷同的で群れたがる傾向,せつな的で情緒的にも不安定な傾向などをかなり強く感じていることが認められる。また,特に,短期保護観察少年との差が大きかった項目としては,「自分がよければ,少しくらい人に迷惑をかけてもかまわないと思っている人」,「悪いことだと思っても仲間と一緒になるとやってしまう人」,「大切なことであっても,まじめに考えずにごまかしてしまう人」などが挙げられ,自己中心性,付和雷同性,無責任さなどに関して,非行性の違いにより,同年代の者に対する見方がかなり異なることがうかがえる。

III-96図 同年代の者に対する見方(非行性)