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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第5章/第2節/3 

3 社会に対する満足度

 今の社会に対する満足度について前回調査と比較したものがIII-82図である。「どちらともいえない」と回答する者が多いが,満足とする者の比率は,男女ともわずかながら前回より低下しており,逆に,不満とする者の比率は特に女子で上昇している。

III-82図 社会に対する満足度(経年)

 III-83図は,社会について不満とした者にその理由を尋ねた結果を示したものである。男子では,前回不満理由として最も多かった「金持ちと貧乏な人との差が大きすぎる」が低下し,代わって「若者の意見が反映されない」が上昇して,最も多くなっている。また,「正しいと思うことが通らない」,「社会の仕組みが決まりきっている」も上昇して過半数を超えている。一方,女子では,男子とは逆の変化が見られ,前回最も選択率が高かった「若書の意見が反映されない」が低下し,代わって「金持ちと貧乏な人との差が大きすぎる」が最も多くなっている。

III-83図 社会に対する不満の理由(経年)

 社会に対する満足度を少年院在院少年と短期保護観察少年とで比較すると,満足とする者の比率については,男女とも両者の間でほとんど差は認められない(少年院男子20.1%,短期観察男子20.5%,少年院女子15.8%,短期観察女子15.3%)。一方,不満とする者の比率は,男女とも少年院在院少年が短期保護観察少年を上回っており(少年院男子39.7%,短期観察男子28.8%,少年院女子39.9%,短期観察女子27.1%),少年院在院少年のうち4割近くの者が,今の社会に対して何らかの不満を抱いているという結果になっている。