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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第4章/第3節/2 

2 非行の特徴

(1) 動機

 最近10年間を累計して薬物事犯少年における非行の動機を見ると,覚せい剤少年では,男女とも「好奇心」(男子31.0%,女子27.6%)が1位を占め,2位は男子が「うさ晴らし」(19.2%,女子は14.6%で3位),女子が「誘われて,その気になって」(20.0%,男子は10.0%で4位)であり,以下,男女で順位は異なるものの,「遊び」(男子は12.3%で3位,女子は8.4%で5位),「いやなことから逃げたくて」(男子は6.9%で5位,女子は9.1%で4位)が,それぞれ上位を占めている。
 一方,毒劇物少年では,男女共に順位が同じであり,「うさ晴らし」(男子30.0%,女子27.2%)が1位で,以下,「遊び」(同22.5%,26.2%),「なんとなく」(同11.3%,12.0%),「いやなことから逃げたくて」(同11.2%,11.8%),「誘われて,その気になって」(同7.9%,10.1%)の順となっている。

(2) 共犯関係

 最近10年間を累計して薬物事犯少年の共犯者の有無及び共犯者数を見ると,男子では単独(覚せい剤少年45.1%,毒劇物少年43.2%),女子では共犯者数2人(覚せい剤少年59.8%,毒劇物少年39.8%)が最も多くなっている。
 さらに,共犯者のいる者について,共犯者との関係を見ると,覚せい剤少年では,男子が地域仲間(31.4%),女子が愛人(26.1%)が,それぞれ最も多く,毒劇物少年では,男女とも地域仲間(男子42,0%,女子46.3%)が最も多くなっている。また,女子覚せい剤少年では,2番目に多い地域仲間(18.3%)に次いで,暴力団(13.1%,男子は5.8%)と行きずり(6.3%,同1.0%)が相対的に高い比率となっており,女子毒劇物少年も,愛人(9.8%)が地域仲間に次いで高くなっている。