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1 女性の刑法犯 I-37図は,昭和21年以降の交通関係業過を除く女子刑法犯検挙人員及び交通関係業過を除く刑法犯検挙人員に占める女子の比率(女子比)の推移を見たものである。検挙人員は,58年に戦後最高に達し,以後62年,63年を除き減少傾同にあったが,平成5年から再び増加に転じ,9年は,前年より16.0%増加して7万381人となっている。また,女子比は,昭和37年までは10%に満たなかったが,38年に10%を超え,さらに63年には20%を超えた。その後,平成2年から下降したものの,6年以降再び上昇に転じ,9年は22.4%と過去最高となっている。
I-37図 交通関係業過を除く女子刑法犯検挙人員及び女子比の推移(昭和21年〜平成9年) なお,この間,交通関係業過を除く女子刑法犯検挙人員の14歳以上の女子の人口10万人当たりの比率(人口比)は,おおむね90から190の間を推移しており,平成2年から8年までは,おおむね100から110の間であったが,9年にはほ126.5となっている(巻末資料I-1参照)。最近10年間の交通関係業過を除く女子刑法犯検挙人員の年齢層別構成比を見ると,I-38図のとおりである。 I-38図 交通関係業過を除く女子刑法犯の年齢層別構成比(昭和63年〜平成9年) この10年間は,一貫して少年が最も高い比率を占めている。検挙人員に占める少年の比率(少年比)は,平成3年以降やや低下傾向にあったが,7年に上昇に転じ,9年には再び50%台となった。また,3年以降,60歳以上の者の比率が漸増傾向を示していたが,9年はやや低下した。平成9年における交通関係業過を除く女子刑法犯の罪名別検挙人員を,昭和63年及び平成8年と対比して示したものが,1-8表である。9年においても,前年と同様,検挙人員の約8割を窃盗が占めており,以下,横領,傷害,詐欺の順となっている。このうち,窃盗の8割近くが万引きであり,横領のほとんどが遺失物等横領である。女子比が比較的高い罪名は,窃盗,殺人,放火等であり,殺人のうちの嬰児殺についてほ,9割以上が女子によるものである。また,9年で増加率の高いものは,強盗,暴行,恐喝等である。 I-8表 交通関係業過を除く女子刑法犯の罪名別検挙人員(昭和63年・平成8年・9年) なお,女子の少年比が高い罪名は,恐喝(80.5%),傷害(74.8%),暴行(54.8%)等である(女子少年の非行については,第3編第2章第4節1参照。)。 |