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 平成10年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/1 

第2節 暴力団犯罪

1 概説

 平成4年以降の暴力団勢力(暴力団の構成員及び準構成員)の推移を見ると,I-31図のとおりである。同年以降減少傾向にあった暴力団勢力は,8年以降やや増加し,9年12月31日現在では,約8万100人(前年より約200人増)で,そのうち,暴力団構成員は約4万4700人(同約1300人減)となっている。

I-31図 暴力団勢力の推移(平成4年〜9年各年末現在)

 最近5年間における暴力団相互の対立抗争事件の発生状況を見ると,I-7表のとおりであり,平成9年の対立抗争事件数は6件,発生回数は53回で,前年と比べ,事件数で3件減少しているものの,発生回数で24回増加している。そのうち銃器が使用された回数は40回で,全体に占める比率は,75.5%となっている。

I-7表 暴力団対立抗争事件の発生状況(平成5年〜9年)

 平成4年3月から暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下,本節において「暴力団対策法」という。)が施行されているが,9年6月,同法の一部改正が行われて(一部を除き同年10月施行),指定暴力団の業務に関して行われる暴力的要求行為の防止のための規定の新設等がなされた。
 平成9年12月31日現在,五代目山口組稲川会及び住吉会の3団体を含む23団体が,暴力団対策法による指定暴力団として指定されており,これらの3団体に所属する暴力団構成員は約2万9,500人(前年より約1,400人減)で,全暴力団構成員の66.0%を占めている。
 また,平成9年に暴力団対策法に基づき発出された中止命令は1737件,再発防止命令は60件である(警察庁刑事局の資料による。)。