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 平成 9年版 犯罪白書 第2編/第6章/第5節/2 

2 更生保護法人等の変遷

 平成8年4月に,更生保護事業法と更生保護事業法の施行及び関係法律の整備等に関する法律が施行され,従来の更生緊急保護法において更生保護会として認可を受けていた団体のうち民法34条の規定により設立された財団法人又は社団法人であった164団体はすべて更生保護法人に組織変更した。更生保護法人以外で認可を受けて更生保護事業を営んでいるのは連絡助成事業を営む1団体である。
 釈放者保護事業は,大正12年の(旧)少年法の施行に伴い,少年保護事業を加え司法保護事業と総称するようになり,昭和12年には,新たに思想犯保護事業も加えて,その団体数は1,039にまで至った。さらに,14年には,司法保護事業法が施行され,司法保護団体は司法大臣の認可を受けて設置運営されることとなった。
 戦後,昭和25年に,更生緊急保護法が公布・施行され,司法保護団体は,新たに更生保護会として生まれ変わった。同法は,更生保護会を法務大臣の認可を受けて更生保護事業を営む者とし,さらに,更生保護会につき,施設を経営して収容保護事業を営む団体(直接保護会)と,その指導,連絡又は助成を行う団体(連絡助成保護会)の二種類を規定し,直接保護会を,国からの宿泊保護受託施設として位置づけた。更生緊急保護法施行の直前に司法保護団体は358団体に及んでいたが,同法下で改めて更生保護会として認可を受けたのは,直接保護会及び連絡助成保護会を合わせて160団体であった。
 II-50図は,昭和25年の更生緊急保護法施行後の更生保護法人等(平成7年以前は「更生保護会」。以下同じ。)の数の推移を事業別に見たものである。継続保護事業を営む更生保護法人は,30年代半ば以降は減少してきている。これに対し,連絡助成事業を営む更生保護法人等は,30年代半ばまでに急増し,その後一時期減少したものの,50年ころから漸増してきている。

II-50図 更生保護法人等数の推移

 なお,連絡助成事業を営む団体の多くが,平成8年の更生保護法人への組織変更に際し,一時保護事業を併せて営むようになった。