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 平成 8年版 犯罪白書 第3編/第7章/第3節/1 

1 長期刑受刑者の仮出獄

 凶悪犯罪を犯した者は,行刑施設に長期間収容されることが多い。地方更生保護委員会は,こうした長期刑受刑者の仮釈放審理に当たり,彼らが厳しい社会的批判を受けていること,また,性格特性や環境条件等の面で問題のある者が少なくないことなどを考慮して,本人の心身の状況,被害者の感情等の関係事項について特に周到な調査と審理を尽くすとともに,本人に対する指導・助言,帰住予定地の環境調整等に格別の配慮をしている。
 特に,昭和54年4月以降,長期刑受刑者に対する新たな施策が実施され,無期刑受刑者及び執行すべき刑期が8年以上の長期刑受刑者の仮出獄審理においては,保護観察官の仮釈放準備調査をできるだけ早期に開始し,かつ,これを定期的に継続するとともに,主査委員による複数回の面接や複数委員による面接を行っている。さらに,こうした手続を経て仮出獄を許可された者のうち,地方更生保護委員会が相当と認めたものについて,施設内処遇から社会内処遇への円滑な移行を目的として,本人から同意を得た上で,仮出獄当初の一定期間(1か月間)を更生保護施設に居住させ,原則として外部の職場に通勤させるほか,個別的又は集団的な方法により生活訓練を基盤とした処遇を計画的・集中的に行う「中間処遇」を実施している。
 この中間処遇実施対象者は,平成7年は185人であり,本制度が一部改正された昭和61年6月1日から平成7年12月31日までに,1,194人に達している。