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2 主要刑法犯の動向 本項においては,第3編において記述される殺人及び強盗を除く刑法犯について,その動向を見ることとする。
(1) 粗暴犯 傷害,暴行,脅迫及び恐喝の認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移は,I-4図のとおりである。 I-4図 粗暴犯の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移 平成7年には,前年と比べ,傷害は,認知件数が615件(3.4%),検挙件数が524件(3.3%),検挙人員が702人(3.2%),それぞれ減少し,暴行は,前年と比べ,認知件数が78件(1.3%),検挙件数が78件(1.6%),検挙人員が145人(2.5%),それぞれ増加した。一方,脅迫は,前年と比べ,認知件数が76件(7.5%),検挙件数が52件(5.4%),検挙人員が146人(14.1%),それぞれ減少し,また,恐喝も,認知件数が59件(0.5%),検挙件数が306件(4.0%),検挙人員が246人(2.6%),それぞれ減少した。 平成7年における罪種別の発生率は,傷害が13.9,暴行が4.9,脅迫が0.8,恐喝が8.9である。 (2) 財産犯 窃盗,詐欺,遺失物等横領を除く横領及び遺失物等横領の認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移を見ると,I-5図のとおりである。平成7年の認知及び検挙件数は,前年と比べ,窃盗以外は減少し,一方,7年の検挙人員は,前年と比べ,4罪種共に減少した。 I-5図 財産犯の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移 平成7年には,前年と比べ,窃盗は,認知件数が1万2,754件(0.8%),検挙件数が147件(0.0%)増加したにもかかわらず,検挙人員は5,460人(3.3%)減少した。一方,詐欺は,認知件数が6,124件(11.8%),検挙件数が5,941件(12.2%),検挙人員が1,492人(14.4%)それぞれ減少し,遺失物等横領を除く横領は,認知件数が243件(13.0%),検挙件数が244件(13.7%),検挙人員が232人(20.9%),それぞれ減少し,遺失物等横領も,認知件数が7,117件(10.7%),検挙件数が7,140件(10.7%),検挙人員が7,457人(10.9%),それぞれ減少した。7年における罪種別の発生率は,窃盗が1,250.7,詐欺が36.6,横領が1.3,遺失物等横領が47.4である。窃盗を手口別に見ると,その構成比はI-6図のとおりであり,重要窃盗犯といわれる,侵入盗,すり,ひったくり及び自動車盗の認知件数の合計が,31万3,922件と全体の20.0%を占めている(巻末資料I-5参照)。また,平成7年では,重要窃盗犯の検挙率は73.7%であるが,その他の窃盗犯の検挙率は28.3%となっており,大きな差が見られる。 I-6図 窃盗の手口別構成比 (3) 性犯罪強姦及び強制わいせつの認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移を見ると,I-7図のとおりである。 I-7図 性犯罪の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移 平成7年における強姦の認知件数は,前年と比べ116件(7.2%),検挙件数は70件(4.7%),検挙人員は1人(0.1%),それぞれ減少した。強制わいせつは,平成7年の検挙件数は,前年と比べ50件(1.5%)減少したが,認知件数は64件(1.8%),検挙人員も52人(3.7%),それぞれ増加した。 平成7年における罪種別の発生率は,強姦が1.2,強制わいせつが2.9である。 (4) 交通関係業過 I-8図は,昭和30年以降における交通事故の発生件数及び交通事故による負傷者の人員を示したものである。発生件数及び負傷者数共に53年から増加傾向に転じ,平成7年には,それぞれ76万1,789件,92万2,677人に上っている(巻末資料I-6参照)。 I-8図 交通事故の発生件数及び負傷者数の推移 I-1表は,最近5年間における交通関係業過の検挙人員を罪名別に見たもので,その98%以上を占める業務上過失傷害は,平成7年には,前年より1.7%増の66万7,396人となっている。I-1表 交通関係業過の検挙人員 このうち,少年については,検挙人員は,ここ数年減少傾向にあり,平成7年には,前年より2,587人(5.5%)減の4万4,171人となっている。(5) その他の刑法犯 放火,略取・誘拐,文書偽造・有価証券偽造及び賭博・富くじの認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移を見ると,I-9図のとおりである。 平成7年における放火の認知件数は,前年と比べ31件(1.8%)減少した。 また,検挙件数は前年と比べ39件(2.4%)増加したが,検挙人員は33人(4.6%)減少した。 略取・誘拐の認知件数は,平成7年は,前年と比べ37件(18.2%),検挙件数は40件(20.2%),検挙人員は32人(19.5%),それぞれ増加した。 文書偽造・有価証券偽造は,認知件数が382件(4.1%),検挙件数が372件(4.0%)減少したが,検挙人員は450人(36.6%)増加した。 賭博・富くじは,認知件数が72件(9.3%),検挙件数が73件(9.4%)減少したが,検挙人員は353人(7.2%)増加した。 平成7年における罪種別の発生率は,放火が1.4,略取・誘拐が0.2,文書偽造・有価証券偽造が7.2,賭博・富くじが0.6である。 I-9図 その他の刑法犯の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移 なお,本節で触れなかったものを含め,刑法犯に関するデータは,巻末資料I-1ないしI-4に示してある。 |