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 平成 7年版 犯罪白書 第4編/第9章/第4節/1 

第4節 フランス

1 法令による規制の概要

 フランスにおける薬物犯罪に対する取締法令は,刑法(Codepenal)及び公衆衛生法(Codedelasant6 pub11que)である。これら2法によって規制される対象薬物は,1990年2月22日の保険衛生問題担当省の省令(Arrete′du22 fevrier1990 fixant la1 istedes subs tances classe′escomme stupefiants)によって決められており,あへん,ヘロイン,コカイン,大麻,LSD,アンフェタミン等とされている。

IV-50表 主要な薬物犯罪の罰則

 IV-50表は,フランスの薬物犯罪取締法令による,主要な違反態様とそれに対する罰則を示したものである。
 刑法は,規制対象薬物に関する違法行為の禁止とそれに対する罰則を定めている。規制対象薬物の違法な生産,製造,輸入,輸出,運搬,所持,提供,譲渡し,取得若しくは他人への使用又はこれらを目的とする集団を指揮し若しくは組織する行為を禁止し,これに違反した場合は,違反態様に応じて定められた刑罰を科することとしている。なお,薬物によって個別の罰則が定められてはおらず,保険衛生問題担当省の省令の規制する薬物に対する違反行為であれば,その薬物の種類を問わず,違反態様が同じ場合は,すべて同じ条項によって処断される。
 一方,公衆衛生法は,規制対象薬物の違法な自己使用行為を禁止し,これに違反した場合は,2月以上1年以下の拘禁刑若しくは500フラン以上1万5,000フラン以下の罰金に処し,又はこれを併科する旨規定している。
 なお,マネー・ローンダリングの罪は,刑法222-38条に規定されている。