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2 取締り及び処罰の状況 IV-36表は,1989年から1993年までの5年間における主な薬物の押収量の推移に加え,これと対比する意味で1984年における押収量を併せて見たものである。
IV-36表 主要薬物押収量 大麻の押収量は,1984年には131万9,700kgであったが,その後減少し,1991年には1984年のおおむね10分の1となった。しかし,1992年からは再び増加傾向に転じている。コカインの押収量は,1984年には1万1,495kgであったが,その後急激に増加し,1989年には13万Kgを超え,以後も高水準で推移している。 ヘロインは,1984年と比較すると,最近5年間は押収量が増加しており,あへんも1989年以降急激に押収量が増加している。 IV-37表は,1989年から1993年までの5年間における薬物犯罪の違反態様及び薬物別検挙人員の構成比の推移に加え,これと対比する意味で1984年における違反態様及び薬物別検挙人員の構成比を併せて見たものである。 VI-37表 薬物犯罪による検挙人員の違反態様別・薬物別構成比 1989年の検挙人員総数は,1984年と比べると,1.92倍と大幅に増加しており,1989年以降は各年次とも検挙人員総数が100万人を超えている。違反態様別に検挙人員の比率の推移を見ると,1984年には,おおむね所持事犯80,販売・製造事犯20の比率となっていたが,1989年以降は,その比率が,おおむね70対30となっており,全体として所持事犯の検挙人員の比率が下降し,販売・製造事犯の比率が上昇している傾向にある。なお,1993年の数値において違反態様ごとの取扱い薬物別検挙人員の比率を見ると,所持事犯の中では,ヘロイン・コカイン事犯(検挙人員総数の31.1%)が最も多く,次いで,大麻事犯(同27.6%)となっている。また,販売・製造事犯の中では,ヘロイン・コカイン事犯(同19.2%)が圧倒的に多く,次いで,大麻事犯(同6.2%)となっている。 各違反態様を通じて薬物別に検挙人員の比率の推移を見ると,1984年には,大麻事犯が検挙人員総数の58.7%を占めていたが,1993年においては33.8%とその比率が大幅に低下している反面,ヘロイン・コカイン事犯は,1984年の26.0%から1993年の50.3%へと大幅に上昇している。 「合成又は製造薬物」及び「その他の危険な非催眠性薬物」については,検挙人員の構成比は1984年以降さほど変化していない。 IV-38表は,薬物犯罪のうち,連邦犯罪として連邦地方裁判所において有罪判決を受けた者の裁判結果を見たものであり,近年,その数が増加する傾向にある。1993年に有罪判決を受けた者は1万8,576人であり,1984年と比べると約2.5倍に増加しているが,そのうち1万6,548人(89.1%)は拘禁刑に処されている。拘禁刑のうちでは,定期刑の言渡しを受けたものが圧倒的に多く,98.2%を占めている。定期刑の刑期別構成比を見ると,5年以上の刑期を言い渡された者が6,954人(42.8%)と最も多く,次いで,3年以上5年未満3,934人(24.2%),1年を超え3年未満3,426人(21.1%),1年以下1,933人(11.9%)の順となっている。 IV-38表 連邦地方裁判所における薬物犯罪者に対する科刑状況 IV-44図は1983年から1992年までの州の拘禁施設における各年末現在の犯罪類型別収容人員(推計)の推移を見たものである。薬物犯罪者の収容人員は毎年増加しており,1983年に2万6,600人であったものが,1992年には17万2,300人と約6.5倍に達している。これに対し,収容人員総数は,同時期で見ると,39万4,953人から77万8,495人へと約2.0倍に増加したのみである。また,薬物犯罪による被収容者の被収容者総数に占める比率も,1983年には6.7%であったものが,1992年には22.1%に増加しており,薬物犯罪を犯して収容される者の増加率が他の被収容者と比べて極めて高い。IV-44図 犯罪類型別収容人員の推移 |