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 平成 7年版 犯罪白書 第4編/第8章/第1節/1 

第8章 薬物犯罪と更生保護

第1節 保護観察対象者の動向

1 概  説

 平成6年における覚せい剤事犯による保護観察新規受理人員は5,228人となっており,総受理人員(交通短期保護観察少年を除く。)の13.1%を占め,毒劇法違反による保護観察新規受理人員は1,565人で,同じく3.9%を占めている。また,麻薬取締法違反によるものは87人となっている。
 なお,昭和57年から平成6年までの,薬物事犯の保護観察対象者別新規受理人員については,巻末資料IV-9表に示してある。
 保護観察の種類別に交通関係を除いた罪名・非行名別の人員を見ると,保護観察処分少年では,窃盗,傷害に次いで毒劇法違反が多く,少年院仮退院者では,窃盗が最も多く,以下,傷害,覚せい剤取締法違反,毒劇法違反の順となっている。また,仮出獄者と保護観察付き執行猶予者においては,いずれも,窃盗が最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反となっている。
 IV-36図は,平成6年における,新規受理時における保護観察対象者の薬物使用歴の有無を見たものである。保護観察対象者全体では,32.6%の者が何らかの種類の薬物の使用歴がある。保護観察の種類別に見ると,保護観察処分少年では,シンナー等の使用歴がある者が20.7%で最も多く,少年院仮退院者では,シンナー等については41.7%,覚せい剤についても10.4%の者に使用歴があり,また,仮出獄者では,覚せい剤の使用歴がある者が33.9%,保護観察付き執行猶予者では,覚せい剤については23.1%,シンナー等についても7.1%の者に使用歴がある。

IV-36図 新規受理保護観察対象者の薬物使用歴