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2 処遇上の問題点とその対策 第2節で見たように,少年院在院者には,単に非行名からは明らかにされにくい,いわゆる潜在化している薬物濫用経験者が相当数存在している。また,一口に薬物濫用経験者といっても,その属性は様々であり,濫用薬物の種類も多岐にわたる。また,薬物を接点として暴力組織と関連をもつようになったり,濫用するために新たな非行に及んだりするなどの問題が生じている。
薬物濫用防止に関する教育では,そうした様々な在院者に対し,それぞれに適切かつ効果的な指導方法を工夫する必要があるので,各少年院では,教材を整備したり,指導効果を検証して,指導方法を検討し,充実を図っている。さらに,薬物濫用防止に関する教育は,少年を取り巻く環境への働き掛けも重要であるところから,保護者の協力を求めるために,保護者会やファミリー ・カウンセリング等がなされている。 以上のように,薬物の濫用に対する対策は,着実に図られているが,薬物が少年の健全育成を阻害する性質のものであるだけに,なお一層の充実が期待されるところである。 |