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 平成 7年版 犯罪白書 第4編/第7章/第2節/1 

第2節 薬物濫用経験をもつ少年院在院者の特質

1 概  観

 矯正統計年報により,昭和57年以降の少年院新収容者について,毒劇法違反者及び覚せい剤取締法違反者の人員を見ると,共に,男子が女子を上回っていたが,平成6年に初めて,覚せい剤取締法違反者で,女子が男子の新収容者数を上回った。同年の少年院新収容者(4,000人)のうち,毒劇法違反者は183人(男子138人・女子45人),覚せい列取締法違反者は280人(男子120人・女子160人)であり,少年院新収容者の約9分の1が,毒劇法違反者又は覚せい剤取締法違反者である。
 IV-21表は,平成6年の少年院新収容者のうち,非行時において,薬物等(アルコール等を含む。)を使用していた者の状況について見たものである。非行時において,薬物等を使用していた者は,少年院新収容者の約3分の1で,また,男女別にその比率を見ると,女子の比率は男子の比率の約2倍となっている。使用薬物の種類を見ると,男子では有機溶剤を使用していた者の比率が最も高く,女子では覚せい剤を使用していた者の比率が最も高い。
 このように,少年院在院者には,今回の非行名からだけでは明らかにされにくい,多数の薬物濫用者が存在することが分かる。

IV-21表 少年院新収容者の薬物等使用関係別構成比