前の項目 次の項目 目次 図表目次 年版選択 | |
|
1 成人矯正 (1) 外国人受刑者の収容状況
新受刑者全体に占める外国人新受刑者の比率を最近10年間で見ると,昭和60年の3.0%から平成6年の4.2%へと増加している。6年の外国人新受刑者は,901人であり,国籍別では,韓国・朝鮮514人,中国75人,アメリカ23人,その他289人である。このうち,「日本人と異なる処遇を必要とする外国人」と判定された外国人新受刑者(以下,本項において「F級新受刑者」という。)は,312人(男子285人・女子27人)で,うち韓国・朝鮮2人(当該国籍の外国人新受刑者のうちF級新受刑者の比率0.4%),中国37人(同49.3%),アメリカ20人(同87.0%),その他253人(同87.5%)である。 III-33図は,最近10年間のF級新受刑者数の推移を見たものである。最近10年間のF級新受刑者の総数は,1,645人であり,このうち女子は136人(8.3%)であって,F級以外の新受刑者の女子比4.3%よりも4.0ポイント高い。 III-33図 F級新受刑者数の推移(昭和60年〜平成6年) 平成6年のF級新受刑者の主要罪名別人員は,強盗が61人(19.6%)で最も多く,次いで,麻薬取締法違反53人(17.0%),窃盗36人(11.5%),殺人28人(9.0%),覚せい剤取締法違反21人(6.7%)の順となっている(矯正統計年報による。)。(2) 外国人受刑者の処遇 平成6年12月31日現在のF級受刑者(「F級」と判定された外国人受刑者をいう。以下,本項において同じ。)の人数は,532人(男子485人・女子47人)であり,同日現在の外国人受刑者数1,568人中の33.9%を占めている。 F級受刑者は,言語だけでなく,風俗・習慣・宗教上の慣行等において日本人の受刑者と著しく異なる点があり,男子は府中刑務所及び横須賀刑務所に,女子は栃木刑務所に収容され,風俗・習慣・宗教上の慣行等から生じる必要に応じて日本人とは異なる処遇を受けている。その処遇に当たっては,職員との意思疎通,他の被収容者とのトラブル発生等種々の問題が伴いがちであり,その解決のために,各施設では,処遇マニュアルの作成,部外者の協力要請等の工夫を凝らしている。 |