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2 裁判所における外国人刑事事件の受理処理状況 (1) 終局裁判
III-30図は,最近10年間の地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における外国人事件(外国人が被告人となった事件をいう。以下,本項において同じ。)及び通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員の推移を見たものである。 III-30図 外国人事件及び通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員の推移(昭和60年〜平成6年) 地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における外国人事件及びそのうち通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は,近年,いずれも増加傾向にあり,特に通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は,平成元年以降急増し,この10年間で16.4倍となっている。6年の通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は,前年より1,844人(52.4%)増加して5,365人となっており,有罪人員総数の9.1%,外国人事件の有罪人員の81.1%を占めている(最高裁判所事務総局の資料による。)。平成6年の地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における通訳人の付いた外国人被告人の国籍別・言語別終局人員の構成比を見たものが,III-31図及びIII-32図である。 III-31図 通訳人の付いた外国人被告人の国籍別構成比(平成6年) III-32図 通訳人の付いた外国人被告人の言語別構成比(平成6年) (2) 科刑状況等最高裁判所事務総局の資料によると,平成6年の地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における通訳・翻訳人の付いた外国人事件の科刑状況は,無期懲役4人(前年3人),有期懲役5,351人(同3,489人),有期禁錮7人(同9人),罰金3人(同20人)となっている。さらに,通訳・翻訳人の付いた外国人・日本人別に,有期懲役・禁錮の刑期別構成比を見ると,いずれも1年以上2年未満の刑期の比率が最も高く,それぞれ61.7%,50.6%を占める。通訳・翻訳人の付いた外国人では,2年以上3年未満の刑期,日本人では6月以上1年未満の刑期が,これに次いでいる。また,執行猶予率は,通訳・翻訳人の付いた外国人事件では91.7%で,内訳は懲役に対するものが91.7%,禁錮に対するものが71.4%であるのに対し,日本人が被告人となった事件では58.5%で,内訳は懲役に対するものが56.6%,禁錮に対するものが93.2%となっている。 |