4 未決拘禁者等の処遇 (1) 未決拘禁者の処遇 未決拘禁者は,拘置所又は刑務所若しくは少年刑務所の拘置区に収容している。 未決拘禁者の処遇は,逃走及び証拠隠滅を防止するとともに,被疑者又は被告人としての防御権を尊重しつつ,適正な収容生活を確保するよう配慮しながら行われている。居室は,原則として単独室であり,共同室に収容する場合でも,同一事件に関係のある者は居室を別にし,居室外においても接触の機会がないよう配慮されている。 衣類及び寝具は,受刑者等のように官給品の使用が強制されない。飲食物や日用品も,施設の規律及び衛生に害のない限り,かなり広範囲にわたり自弁が認められている。面会及び通信は,施設の管理上やむを得ない場合を除き,その相手方及び回数の制限はないが,通信の内容については,検閲が行われる。弁護人との面会については,立会人を付けない。図書,雑誌及び新聞紙の閲読は,未決拘禁の目的に反せず,かつ,施設の規律を害するおそれのない限り許されている。 未決拘禁者は,いわゆる代用監獄(拘置所等に代用される警察官署附属の留置場)に拘禁される場合もある。代用監獄に拘禁された者の平成6年度(会計年度)の一日平均収容人員は,6,107人(国が拘禁のための費用として都道府県へ償還した金額の実績により算出した。)となっている。また,6年における拘置所等に拘禁された未決拘禁者の一日平均収容人員は8,037人であった。 (2) 死刑確定者,労役場留置者及び監置に処された者の処遇 死刑の判決が確定した者は,その執行に至るまで,拘置所又は刑務所の拘置区に収容される。死刑確定者の処遇は,おおむね未決拘禁者に準じて行われている。また,希望により,教誨師による宗教教誨及び篤志面接委員による助言・指導も行われている。平成6年12月31日現在における死刑確定者の収容人員は57人である。 労役場は,罰金又は科料を完納することができない者を留置する施設であり,行刑施設に附設されている。労役場留置者の処遇は,作業を行わせるなど,おおむね懲役受刑者に準じて行われている。平成6年中に労役場に留置された者は1,946人で,うち1,019人(52.3%)は,行刑施設に収容されている未決拘禁者又は受刑者が,労役場留置者に資格異動したものである。 監置は,法廷等の秩序維持に関する法律2条の規定に基づく制裁であり,監置に処された者は,行刑施設に附設された監置場に留置される。監置に処された者に対する処遇は,面会,通信及び衣類の自弁に制限があること,飲食物の自弁が認められないことを除いて,未決拘禁者に準じて行われている。平成6年中に監置場に留置された者はいなかった。
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