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1 外国人保護観察対象者の動向 (1)新規受理時における保護観察対象者の国籍別人員
IV-26表は,新規に受理した保護観察対象者を国籍別に示したものである。外国人保護観察対象者は,朝鮮と中国を除く外国人だけを見ても,平成5年では前年の125人と比べ,45.6%も増加して182人となっている。これを保護観察の種類別に見ると,仮出獄者が126人(69.2%)で最も多く,以下,保護観察処分少年32人(17.6%),保護観察付執行猶予者16人(8.8%),少年院仮退院者8人(4.4%)の順である。これらを前年と比べると,仮出獄者が32人,保護観察処分少年が12人,保護観察付執行猶予者が7人,少年院仮退院者が6人,それぞれ増加している。なお,法務総合研究所の調査によると,上記平成5年の仮出獄者126人のうちには,仮出獄後に保護観察対象者となったが,退去強制により保護観察を受けることがなくなった者100人(79.4%)が含まれており,前述のとおり仮出獄となった者は退去強制の手続を執られる者が多いことが分かる。 IV-26表 国籍別保護観察新規受理人員 (2)保護観察係属中の外国人の国籍別人員IV-27表は,平成4年,5年各3月31日現在における,特別永住者を除く外国人保護観察対象者を国籍別,保護観察の種類別に示したものである。前記では年間における新規受理人員を見たが,ここでは,一定時点における保護観察係属中の人員を見ると,外国人保護観察対象者の総数は,5年が234人であり,前年の121人と比べ,1.9倍にもなっている。これは主として,国籍がタイ,中国,フィリピン,台湾等である対象者の増加によるものである。同じ総数を国籍別に見ると,台湾や朝鮮を含めて,24か国に及ぶほど多国籍化しているが,このうちアメリカ(44人)が最も多く,以下,中国(33人),韓国,タイ(各24人),フィリピン(20人),台湾(18人),ヴィエトナム(14人),パキスタン(10人),香港(9人),マレイシア(5人),連合王国(4人),イラン,ラオス,朝鮮(各3人)等の順であり,アジア地域が73.5%を占めている。なお,アメリカの中には在日米軍関係者が含まれ,また,仮出獄者の中には退去強制になった者が含まれている。 また,男女別に見ると,女子比が総数では13.2%であるが,特にタイ(45.8%)やヴィエトナム(35.7%)において高いのが特徴的である。 IV-27表 保護観察係属中の外国人の国籍別人員 |