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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第6章/第2節/8 

8 来日外国人少年の生活環境等

 (1)保護者と生活程度
 来日外国人少年のうち,実父母がそろっている少年の比率及び本国における生活程度が貧困と見なされた少年の比率は,IV-42図のとおり,来日外国人少年以外の少年に比較していずれも高く,特に,女子のうちで貧困と見なされた少年の比率は,来日外国人少年以外の女子に比較して高い。

IV-42図 保護者と生活程度の状況

 (2)居住環境
 来日外国人少年の我が国における居住状況を見ると,男女共にアパートが多く,次に多い住所不定と合わせると,この二つで,男子で47.1%(不詳の者を除いた比率。以下同じ。),女子で68.9%を占めている。
 (3)非行時の職業
 来日外国人少年の非行時における職業は,男女共に無職(学生を含む。以下同じ。)が最も多く,それぞれ59.3%,36.1%を占めている。女子については,来日外国人少年以外の女子の無職率が79.2%である(矯正統計年報による。)のに対し,半分以下の36.1%の低さにあることが,来日外国人少年の特徴的傾向の一つであるといえる。
 無職の比率を,非行名別に見ると,入管法違反では29.7%の低さにあるが,売春防止法違反,窃盗は,それぞれ67.8%,65.6%と比率が高くなっている。
 (4)在日期間
 平成2年から4年までの来日外国人少年の,通算の在日期間の平均は12か月であり,男子にあっては17か月,女子にあっては10か月となっている。非行名別に見ると,入管法違反では9か月,売春防止法違反では10か月となっており,いずれも在日期間1年以内の者が8割弱を占めている。窃盗にあっては,前二者に比べて,平均在日期間が23か月と長くなっている。