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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第4章/第4節/1 

第4節 特別調査から見た来日外国人による傷害事件の刑事処分

1 特別調査の概要

 法務総合研究所では,来日外国人による事件に対する処分・科刑に関し,既に,来日外国人による窃盗事件について量刑調査を実施し,その結果については平成4年版犯罪白書に記述したところであるが,さらに,来日外国人による傷害事犯を対象として取り上げ,その事犯の実態や処分・科刑状況について調査を行った。
 本調査対象は,平成3年及び4年中に,東京地方検察庁・同区検察庁において処理された来日外国人による傷害事件(公判請求事件,略式命令請求事件及び起訴猶予事件で,脅迫等の軽微な併合罪のあるものを含む。以下,本節において同じ。)の全事件(公判請求33人,略式命令請求21人及び起訴猶予43人の合計97人,以下,本節では,単に来日外国人事件という。)であり(なお,公判請求事件で法律上執行猶予を付することのできない事件はなかった。),これと,3年及び4年中に東京地方検察庁・同区検察庁で処理された日本人による傷害事件(合計2,760人)のうちから,公判請求事件で法律上執行猶予を付することのできない事件を除き,約15分の1の比率で抽出した日本人180人に係る傷害事件(公判請求18人,略式命令請求105人及び起訴猶予57人,以下,本節では,日本人2,760人に係る傷害事件を日本人に係る事件といい,日本人180人に係る傷害事件を日本人事件という。)等と比較しつつ,その事犯の実態や処分・科刑状況について調査分析した。