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IV-10図は,最近10年間における来日外国人の罪名別刑法犯検挙人員の推移を示したものである(巻末資料IV-3表参照)。来日外国人による罪名は,どの年次においても窃盗が首位を占め,次いで,占有離脱物横領となっている。平成5年の罪名別構成比を見ると,窃盗が54.9%,占有離脱物横領が30.5%で,この二つの罪名で,来日外国人の刑法犯検挙人員総数の9割近くを占めている。また,凶悪犯(殺人・強盗)・粗暴犯(暴行・傷害・脅迫・恐喝)の占める比率は6.7%であるが,これらの罪名の検挙人員の推移を見ると,IV-11図に示すとおりである。
IV-10図 来日外国人の刑法犯検挙人員の推移 IV-11図 来日外国人の検挙人員(殺人・強盗・傷害・暴行)の推移 IV-12図は,最近10年間における来日外国人の罪名別特別法犯送致人員の推移を,IV-13図は,そのうち,風俗関係事犯及び薬物関係事犯の送致人員を示したものである(巻末資料IV-4表参照)。昭和59年以降の推移を見ると,入管法違反及び風紀・薬物関係事犯の増加と外登法違反の減少が目立っている。平成5年の罪名別構成比を見ると,入管法違反が69.7%で首位を占め,以下,売春防止法違反(8.1%),覚せい剤取締法違反(5.5%),大麻取締法違反(4.7%)の順となっている。また,平成5年の来日外国人による入管法違反の態様別送致人員を見ると,不法残留が2,638人(72.9%)で最も多く,次いで,旅券不携帯が405人(11.2%),資格外活動が228人(6.3%),不法入国が198人(5.5%)等となっている。 IV-12図 来日外国人の特別法犯送致人員の推移 IV-13図 来日外国人の送致人員(風紀・薬物)の推移 IV-14図及びIV-15図は,最近10年間における来日外国人の国籍別刑法犯検挙人員及び特別法犯送致人員の推移を示したものである(巻末資料IV-5表及び6表参照)。平成5年の来日外国人による刑法犯検挙人員の8割,特別法犯送致人員の9割がアジア州の出身者であるが,国籍別に見ると,刑法犯では,中国,韓国・朝鮮,イラン,フィリピン,マレイシア等が,特別法犯では,タイ,中国,韓国・朝鮮,フィリピン,マレイシア等が多い。また,10年前には,わずかにすぎなかったパキスタン,マレイシア,ヴイエトナム等が,最近増加している。IV-14図 国籍別来日外国人による刑法犯の検挙人員(アジア州主要国) IV-15図 国籍別来日外国人による特別法犯の送致人員(アジア州主要国) IV-16図は,平成3年及び5年における来日外国人による刑法犯検挙件数の地域別分布状況を示したものである。IV-16図 都道府県別来日外国人による刑法犯検挙件数 都道府県別に見た来日外国人による刑法犯検挙件数は,平成3年には,東京(4,094件),神奈川(765件),大阪(541件)等の大都市に集中して多く,検挙件数が皆無の県もあったが,5年には,検挙件数は全国に広がり,外国人による犯罪が大都市から次第にその周辺都市,地方へと拡散しつつあることがうかがわれる(巻末資料IV-7表参照)。 |