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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第10章/第5節/2 

2 外国人による犯罪とその刑事処分の動向

 スウェーデンにおいては,外国人犯罪は増加している。

IV-56表 主要犯罪についての検察庁受理人員

 IV-56表は,「主要犯罪」について,1984年から1992年までの間における検察庁受理人員総数と外国人被疑者の受理人員(内数)を見たものである。1992年における受理人員総数は約10.8万人,うち外国人は約2.4万人で,外国人の比率は22.2%となっており,1984年の15.5%に比してかなりの上昇を示している。

IV-57表 外国人被疑者の罪名別検察庁受理人員

 IV-57表は,1992年における,外国人の比率の高い「主要犯罪」の罪名とその検察庁受理人員,外国人被疑者の受理人員(内数)と外国人の比率を見たものである。ただし,入国管理法令違反は除いてある。罪名別に見た外国人被疑者の受理人員の多い犯罪は,窃盗,傷害,密輸取締法違反,詐欺であるが,外国人の比率の高い罪名は,密輸取締法違反,強姦,強盗である。
 中央統計局の統計によって,1990年から1992年までの3年間における,有罪判決を受けた外国人被告人の出身地域別構成比の推移を見ると,北欧4か国の出身者が38.4%から29.8%に低下し,その他のヨーロッパ諸国の出身者が35.0%から40.6%に上昇している。アフリカ諸国の出身者は4.3%から6.2%に,アジア諸国の出身者は12.2%から12.9%に,それぞれ上昇しているが,北米,中南米,オセアニアの各地域出身者については,大きな変化は見られない。