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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第10章/第5節/3 

3 外国人受刑者処遇の現状

 1983年から1992年までにおける外国人新受刑者の総数に占める比率を見ると,外国人新受刑者は,1987年から緩やかな上昇傾向を示し,1992年には20.6%となっている。
 1992年の外国人新受刑者2,847人の国籍を見ると,フィンランドが29.6%で最も多く,以下,旧ユーゴースラヴィア12.3%,ノールウェー7.1%,イラン5.8%,ポーランド4.8%などの順となっている。
 1992年の統計によって,外国人新受刑者の特質を罪種別構成比で見ると,外国人では,麻薬犯罪・密輸犯罪が14.8%で,スウェーデン人の8.0%と比べて高く,また,飲酒運転が12.5%で,スウェーデン人の20.1%と比べて低いが,このほかには特に特徴的な差異は認められない(Kriminalvardens Offciella Statistikによる。)。
 外国人受刑者については,スウェーデン人受刑者と分けないで処遇しているが,外国人受刑者が希望する場合には,本人の宗教行為を認め,また,特別な食事をさせている。