前の項目 次の項目 目次 図表目次 年版選択 | |
|
1 外国人の入国・在留の動向及びその背景 フランスは,第二次世界大戦後の労働力不足を補うため,国家管理の下に外国人労働者を募集し多数を受け入れた。しかし,1974年には,オイルショックによる経済危機を反映して,欧州共同体(EC)構成国以外からの外国人労働者の入国停止措置が執られ,以後,政権の交代に伴って,外国人労働者に対する規制が,厳格と寛容の間を往復している。
フランスの国籍法令は,出生による国籍取得につき,外国からの入国者の子孫の第三世代以降については,原則として生地主義を採っている。 IV-49表は,1946年から1990年までの,国勢調査によるフランスの人口の推移を,総人口,出生時からのフランス人,出生後の国籍取得によるフランス人及び外国人に分けて見たものである。1990年における総人口約5,662万人中の外国人は約358万人で,外国人の比率は6.3%である。第二次世界大戦後,徐々に出生時からのフランス人の構成比が低下していることが分かる。 IV-49表 フランス人・外国人別の人口 社会問題・移民問題省(Ministeredes Affaires sociale set delIntegra tion)の資料によって,1990年においてフランスに在留する外国人について,出身国籍別に上位7か国の人数及び外国人人口全体に占める出身国別人口の構成比を見ると,ポルトガル(約65万人,17.9%),アルジェリア(約62万人,17.2%),モロッコ(約58万人,16.2%),イタリア(約25万人,7.0%),スペイン(約22万人,6.0%),テュニジア(約21万人,5.8%),トルコ(約20万人,5.6%)となっており,地中海沿岸諸国によって占められていることが分かる。 |