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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第10章/第2節/2 

2 外国人による犯罪とその刑事処分の動向

 IV-47表は,アメリカにおいて,「犯罪(criminal 0ffenses)又は入国管理法令違反(immigration law violations)」により退去強制事由に該当するとされた外国人の国籍別の被拘束人員総数を,1984会計年度(前年10月から当年9月まで,以下同じ。)から1992会計年度までの間について隔年で見たものである。国籍別では,各年共にメキシコが圧倒的に多く,1992年においては,120万5,817人で外国人被拘束人員総数の95.8%を占めている。同年における国籍別の被拘束人員及び構成比を見ると,メキシコに次いで,エル・サルヴァドル7,433人(0.6%),ドミニカ共和国7,361人(0.6%),カナダ6,569人(0.5%),グァテマラ5,614人(0.4%),ホンデュラス4,186人(0.3%),コロンビア2,023人(0.2%)の順となっており,ラテンアメリカ系が大多数を占めていることが分かる。

IV-47表 退去強制事由該当者の国籍別被拘束人員

 IV-48表は,1993会計年度において,退去強制の対象となった外国人による犯罪について,適法在留者・不法在留者別に,その罪名別有罪件数を見たものである。重罪(fe1onies)では,構成比の高いものから,薬物関連犯罪,窃盗,強盗,加重暴行,性犯罪,殺人の順となっている。不法在留者では,適法在留者と比べて,窃盗の構成比が高い。軽罪(misdemeanors)では,構成比の高いものから,薬物・アルコールによる酩酊運転,薬物関連犯罪,脅迫・暴行の順となっている。不法在留者では,適法在留者と比べて,酩酊運転及び脅迫・暴行の構成比が高い。

IV-48表 退去強制の対象となった外国人の罪名別有罪件数