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 平成 6年版 犯罪白書 第3編/第2章/第2節/1 

第2節 検察・裁判

1 検察庁における処理状況

 (1)受理状況
 III-12図は,検察庁における交通犯罪の受理状況を,交通関係業過,道交違反の別に見たものである。

III-12図 交通関係業過・道交違反の検察庁新規受理人員の推移

 交通関係業過の新規受理人員は,昭和30年代から40年代前半にかけて激増し,45年にピークに達した後減少した。しかし,50年代半ばに再び増加に転じ,以後引き続き増加傾向にある。平成5年の業過の新規受理人員66万363人のうち,交通関係業過の新規受理人員は65万9,080人で,前年に比べ2万250人増加し,昭和40年半ばのピーク時に迫る数値となっている。
 一方,道交違反(道路交通法施行以前については道路交通取締法違反等)の新規受理人員は,昭和20年代後半から40年まで激増したが,43年7月からの交通反則通告制度の導入によって,新規受理人員が激減し,さらに,その後同制度の適用範囲の拡大等により新規受理人員が減少した。平成5年の新規受理人員は,前年に比べて,道路交通法違反,保管場所法違反共に減少して,合計で117万4,820人(うち,道路交通法違反は111万5,013人)となっており,交通関係業過及び道交違反が検察庁新規受理人員総数に占める構成比は,それぞれ30.2%,53.9%となっている。
 (2)処理状況
 交通関係業過事件の起訴率は,昭和50年代から60年代初めにかけて年を追うごとに上昇し,60年には73.0%に達していたものが,62年以後,急激に低下しており,平成5年には,更に低下して16.4%となった。
 一方,道交違反事件の起訴率は,昭和40年代後半から上昇して50年代はほぼ97%で推移したが,62年以降は,94%ないし95%前後となっており,5年は95.0%となっている(巻末資料III-3表参照)。