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 平成 5年版 犯罪白書 第3編/第5章/第2節/1 

第2節 過激派集団の犯罪

1 ゲリラ事犯

 過激派各派は,平成4年においても,「天皇制反対」「自衛隊海外派兵阻止」「新東京国際空港第二期工事阻止」等を呼号し,悪質ないわゆるテロ,ゲリラ等の違法行為を繰り返している。
 最近5年間におけるゲリラ事犯の発生件数の推移は,III-22表のとおりである。平成4年は46件発生しており,過去5年間では,即位の礼,大嘗祭等の諸行事の粉砕を目指した過激派各派によるゲリラ事犯が多発した2年に次いで,件数が多くなっている。
 ゲリラの対象は,自衛隊関連施設,鉄道施設,民間企業の施設,神社,個人宅など,多方面に及んでいるが,そのうち,個人宅をねらったものが平成4年には18件と全体の4割近くを占め,また,犯行手段を見ると,時限式発火装置のほか,爆発物や発射装置を使用した事例が増加するなど,犯行の態様はますます悪質化してきている。

III-22表 ゲリラ事犯発生件数 (昭和63年〜平成4年)